
(ウィンストン・チャーチル、ウィキペディアより)
第二次世界大戦でのこと。
1940年、イギリスのチャーチル首相のもと、アラン・チューリング率いるチームが、ドイツ軍の暗号を解読することに成功。
ドイツ軍が、イギリスのコベントリーという町を空爆する情報を事前につかみました。
しかし、暗号解読に成功したことをドイツ軍に知らされることを恐れたチャーチルの判断であえて無視され、コベントリーは壊滅的ダメージを受けます。
それによって、多くの市民が犠牲になりました。
イギリスは国家機密を守るために多くの自国の市民を犠牲にしたのですが、これは正しい判断であったとされました。
チャーチルは英雄となり、1953年には、『第2次世界大戦回顧録』で、ノーベル文学賞を受賞しています。
一方、暗号解読の立役者、チューリングは、戦後、当時違法の同性愛者であったことが発覚し逮捕され、その後、自殺しました。
今年の9月10日、ゴードン・ブラウン英首相は、第二次世界大戦において大きく貢献したチューリングに対し、不当な処置への謝罪を発表しています。
沢山の自国民を犠牲にしても英雄扱いされる人もあれば、戦争に多大な功績を残したと言われても、処罰され、自殺に追い込まれた人もあります。
それが、50年以上も経って、間違った処置であったと謝罪されたり……。
私たちが問題にする善悪とは、いったい何なのか、とわからなくなってきます。
「善悪のふたつ総じてもって存知せざるなり」
歎異抄に書かれてある親鸞聖人のお言葉です。
「親鸞は、何が善やら悪やら知らないし、まったく分からない」
とおっしゃていますが、私たちの弁える善悪は、時や処でしばしば変わり、人によって評価が異なる、定まらない基準しかもたないことを知らされます。
この内容について、『歎異抄をひらく』の2部の17章に書かれてあるので、よく読ませていただきたいと思います。